【2023年最新】中古マンション購入時の相場はいくら?調べ方は?

多くの人にとって一生に一度の買い物といわれる住まい。
購入経験の少ない買い物は、最初に買う・買わないの判断基準となる相場を把握しておくと安心です。
相場を知ることで、
・資金計画が立てやすくなる
・「物件が高い、安い」の判断目安になる
などのメリットがあります。
「あくまで参考価格」という視点は必要ですが、中古マンションの価格相場や市場動向を見ていきましょう。
2023年の中古マンション相場
まずは中古マンションがどの程度の価格で取引されているか、首都圏の市場動向を見てみましょう。
下記は首都圏の中古マンション成約㎡単価の推移です。
※(財)東日本不動産流通機構(東日本レインズ)のデータを元に作成
2023年4月の中古マンション価格は、
・成約㎡単価 70.17万円(前年同月比+2.1%)
・平均成約価格 4,486万円(前年同月比+2.8%)
でした。
※(財)東日本不動産流通機構「月例マーケットウォッチ 2023年4月度」より
中古マンションの相場は2013年からゆるやかな上昇を続けていましたが、2021年(コロナ禍で過去最高の成約件数を記録)以降、㎡単価の伸びが加速。
直近1年は、㎡単価69万円前後で高止まりが続いています。
中古マンション相場の上昇には、新築マンションの値上がり・供給数減少が大きく影響しています。
下記のグラフは、新築マンションの価格と供給数の推移を示したものです。
※(株)不動産経済研究所「首都圏 新築分譲マンション市場動向2022年度(2022年4月~2023年3月)」のデータを元に作成
2023年4月の新築マンション価格は、
・㎡単価 115.9万円(前年同月比+23.7%)
・平均価格 7,747万円(前年同月比+23.1%)
でした。
※(株)不動産経済研究所「首都圏 新築分譲マンション市場動向2023年4月」より
中古マンション市場も相場価格の上昇が続いているとはいえ、新築に比べるとまだまだリーズナブル。
新築マンションは、
・企業体力のある大手寡占が進んでいる
・土地、建材、人件費の高騰で値下げが難しい
などの影響で今後も価格の上昇・供給数減は続く見込みです。
「新築の話は中古に関係ないでしょ」と思うかもしれませんが、建材や人件費の高騰は中古マンションを購入する人にとっても無縁の話ではありません。
室内をリノベーションして販売する“リノベーション済みマンション”が中古マンションの主流になっている今、工事費の高騰は販売価格にも影響します。
物件を選ぶ際は「どんな工事が行われたか」、リノベーション内容にも注目してみてくださいね。
<在庫数から見る今の中古マンション市場>
中古マンションの在庫数は2020年の夏頃から減少が続いていましたが、現在は2018年頃の水準まで回復しています。
在庫減は、コロナ禍をきっかけとする一時的な需要の拡大によるもの。
需要が落ち着いてきたことで売り手市場が終わり、買い手市場が戻ってきました。
豊富な選択肢の中からより自分に合うものを選択できる、買い手に有利な状況です。
一方で、価格は高止まりしたまま。
一般的に、在庫(供給)が増え、成約(需要)が減ると価格は下がるものですが、相場が下がっていかないのは「高くても売れている物件があるから」と考えられます(在庫件数:前年同月比 +22.0%、成約件数:前年同月比 -4.5%)。
これはどういう状況かというと、売れる物件・売れない物件の二極化がより進んでいると考えられます。
良い物件ほど早く売れる傾向が強まるので、ご自身の条件を整理し「買う・買わない」の判断がサッとできるようにしておきましょう。
地域・築年別の中古マンション相場
中古マンションの価格はエリアや立地、広さ、築年数などで大きなバラつきがあります。
下記の表は、地域・築年別の成約㎡単価です。
エリアや物件選びの参考にしてみてください。
|
~築5年 |
~築10年 |
~築15年 |
~築20年 |
~築25年 |
~築30年 |
築30年超 |
|
東京 |
都区部 |
144.2 |
120.3 |
111.6 |
105.2 |
95.1 |
81.6 |
71.2 |
多摩地区 |
82.3 |
71.3 |
61.8 |
52.8 |
50.2 |
47.9 |
31.0 |
|
神奈川 |
横浜・川崎 |
91.9 |
81.5 |
71.9 |
67.4 |
57.3 |
51.9 |
35.3 |
上記外 |
76.2 |
59.4 |
52.2 |
43.2 |
40.6 |
37.8 |
23.9 |
|
千葉 |
68.5 |
60.0 |
53.0 |
43.7 |
39.9 |
29.7 |
19.2 |
|
埼玉 |
71.5 |
66.7 |
57.8 |
47.7 |
45.2 |
37.2 |
20.5 |
※(財)東日本不動産流通機構「首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況【2023年1~ 3月】」より
当然のことですが、築年が新しいほど、都心に近いほど相場価格は高くなります。
個人的に、都区部の築30年超と埼玉の築5年の相場がほぼ同じなことが驚きでした。
エリアにこだわるか、新しさにこだわるかでも物件選びの選択肢が変わってきます。
住まいに求める条件は何か、整理してみてくださいね。
中古マンションの相場を調べるには?
もっとピンポイントなエリアで相場感を知るには、次の2つのサイトが手軽で便利です。
販売価格を知る:at home(アットホーム)
不動産のポータルサイト「at home」では、希望の地域(区・市単位)や駅、路線別の価格相場を調べることができます。
間取り別で表示され、そのままat home上で物件探しもできます。
at home:https://www.athome.co.jp/mansion/chuko/souba/
成約価格を知る:レインズマーケットインフォメーション
レインズマーケットインフォメーションは、全国指定流通機構連絡協議会が運営・管理しているサイトで、どんな物件がいつ・いくらで売れたかを調べることができます。
築年、面積、駅からの距離など、物件の基本的な情報がわかるので、買いたい物件が出てきた際の比較・検討材料として使えます。
レインズマーケットインフォメーション:http://www.contract.reins.or.jp/search/displayAreaConditionBLogic.do
中古マンションの相場より大事なこと
中古マンションの相場を知ることは大事なことですが、そればかり気にしすぎるのも良くありません。
マイホーム購入時は下記の3点を優先して考えましょう。
無理のない返済計画を立てる
当たり前のことですが、相場より安いからといって予算に合わない物件を無理に買うのは得策ではありません。
住まい購入はゴールではないので、その後の暮らし(教育費・老後の資金など)も含めた計画づくりが大切です。
また、相場より安い場合は、何かしらの理由がある可能性も高いです。
バス便物件、旧耐震物件といったわかりやすい理由もありますが、
・再建築不可
・敷地の一部を第三者が所有している
など、ぱっと見ではわからないケースもあります。
こういった場合は安さに流されず、
・理由を丁寧に説明してくれる不動産会社から買う
・リスクを納得したうえで買う
ようにしましょう。
自分の買い時を優先する
住宅ローンは完済時年齢を80歳未満と設定している銀行が多く、35年ローンを組むなら44歳がリミットです。
さらに50歳を過ぎると特約付き(ガンと診断されたら返済不要など)の団信に入れないなど、利用条件が制限されます。
また、年を重ねれば重ねるほど病気のリスクは上がり、そもそも住宅ローンが組めないという可能性も高まります。
住宅ローンで購入する場合は、ご自身の年齢・健康状態を最優先にして考える必要があります。
暮らしに求める条件を整理する
後悔しない住まい購入には、
・ご自身が住まいに求めるものは何か
・マイホームでどんな暮らしがしたいか
といった条件を整理して、優先順位を付けることが重要です。
これができてないといつまでも買う決断ができず、満足できる家に出会えません。
「理想が漠然としていて難しいな」と感じる場合は、すでにマイホームを購入した方に選んだ理由を聞いてみたり、信用できそうな営業マンを探してみてはいかがでしょうか?
上手な営業マンは会話の中であなたの要望を引き出して、条件整理をうまくフォローしてくれるはずです。
【まとめ】ご自身のライフプラン優先の計画を!
中古マンションの価格相場が高い・安いというのは、あくまで結果論です。
今の価格が高いのか、安いのかは数年経たないと判断できません。
ご自身が心身ともに健康で、安心して購入に踏み切れる時が一番の買い時でなないかと思います。
相場は参考価格として把握しておき、購入判断材料の一つとしてお役立ていただけたら幸いです。
ご自身のベストタイミングで素敵な住まいと出会えますように!
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