仲介手数料ゼロってほんとにお得?

マンション購入時の諸費用ってすごく高いですよね。
登記料、固定資産税などの精算金、住宅ローンの事務手数料…
諸費用はトータルで、物件購入価格の7~10%かかるといわれています。
諸費用の節約方法は、ローンの保証料や火災保険料の見直しなどがありますが、いちばんの近道は仲介手数料をカットすることです。
節約のために「仲介手数料無料」の会社を利用したいけど、何か裏があるのでは?と心配な方へ。
今回は、気になる仲介手数料についてお話しします。
そもそも仲介手数料って何のためのお金?

仲介手数料は、物件の紹介や契約などの手続きをしてくれた不動産会社に支払うお金、報酬のことです。
物件の紹介・案内、売主との価格や条件交渉、重要事項説明書・契約書の作成、住宅ローンの紹介など、購入にかかわるさまざまな業務に対する報酬として支払います。
仲介手数料は上限が法律で決められていて、
物件の売買価格×3%+6万円+消費税
で計算します。
(※売買価格が400万以上の場合)
たとえば4,000万円の物件を買う場合、
仲介手数料は、4,000万×3%+6万=126万円+消費税になります。
ただし、これはあくまで上限です。
この金額以下であれば金額設定は不動産会社の自由なので、「仲介手数料無料」「半額」などと宣伝している会社がいるのです。
仲介手数料ゼロのしくみ
では、なぜ仲介手数料無料でも成立するのでしょうか?
「対価もなしにやってるなんて、逆にあやしい…」と不安になりますよね。
仲介手数料無料は、次の3パターンが考えられます。
①売主から仲介手数料をもらうから

仲介会社が買主と売主の双方を探し売買取引が成立した場合、売主・買主両方から仲介手数料を報酬としていただいています。これを「両手仲介」といいます。
反対に買主と売主それぞれに仲介会社がついている場合、買主か売主片方から仲介手数料を報酬としていただいています。これを「片手仲介」といいます。
仲介手数料無料とうたっている会社は、本来なら両手仲介になるところを売主側からの片手仲介にして、集客しています。
売主からの手数料があるので、「何か裏があるのでは?」という心配はいりません。
②売主が直販している物件だから(リノベ済みの場合)
リノベ済みマンションを販売している買取再販業者(売主)から直接買う場合、仲介手数料は無料になります。
仲介会社が間に入らないので、仲介会社に支払う報酬(つまり仲介手数料)がかかりません。
SUUMOなどのポータルサイトで、取引態様が“売主”となっている物件が買取再販業者が販売している物件(売主物件)です。
ちなみにSUUMOは、検索条件の設定で売主物件のみを表示することもできます。
物件のタイトルや紹介文で「当社売主」「売主直売」とPRしている物件もあるので、そこも参考に探してみてください。
売主物件にしぼって探すことで、保証やサポート体制など、売主ごとの強みも比較しやすくなります。
関連記事「【取引態様って何?】諸費用の節約するならココを見て!」
③リノベーション工事を多く受注したいから(中古+リノベの場合)
中古+リノベを検討していて、物件探しから施工までを担うワンストップリノベーション会社で物件探しをお願いしている場合、仲介手数料無料や〇%オフとなることがあります。
これは、ワンストップリノベーション会社がリノベーション工事を1件でも多く受注しようとしているからです。
工事を行うには、まずは工事する物件そのものがないと仕事ができません。
仲介手数料を無料や〇%オフにして、もっと手軽に中古+リノベをはじめてもらいやすくしています。
関連記事「最近よく聞く「ワンストップリノベーション」って何?」
仲介手数料無料のデメリット

選べる物件が限定される
仲介手数料無料のしくみ上、選べる物件が限られるという可能性があります。
売主から買う場合は、売主である買取再販業者の自社物件のみ
仲介会社から買う場合は、確実に売主からの手数料が入る物件のみ
の紹介になります。
色々な物件の中から探したいと思っているなら、仲介手数料無料にこだわりすぎると、自分に合った物件に出合えないかもしれません。
売主よりの対応をされるかも
すべての仲介会社がそうというわけではありませんが、買主ではなく売主にとって都合のよい対応をされる場合があります。
仲介会社は売主から手数料をいただくため、売主が「売ってもいいな」と思えるような条件を提示しないといけないですよね?
「タダより高いものはない」といいますが、本来なら払うお金を支払わなくていいということは、それなりのリスクも伴います。
仲介手数料が安いに越したことはありませんが、買主の立場に立って最後まで丁寧にサポートしてもらうためのお金=安心を買っていると考えることもできます。
後悔しないマンション購入のためにも、手数料無料にこだわりすぎず「安心して任せられる会社なのか」を見ることが大切です。
【まとめ】仲介手数料無料のしくみを知って、納得できる会社で買おう!
マンション購入は、諸費用だけでなく引っ越し代や新しい家具・家電代など、なにかとお金がかかるものです。
仲介手数料を少しでも節約できたら、助かりますよね。
しかし、仲介手数料無料にこだわりすぎると物件の選択肢を自ら狭めてしまうことになります。
不動産売買のしくみ上、仲介手数料を無料にできる物件には限りがあるからです。
色々な候補の中から自分にぴったりの物件を選びたいと考えているなら、注意が必要ですね。
無料にできる理由も色々あるので、納得できる会社を選んでください!
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