物件探しスタート!まず始めにやることは?【前編】

「さぁ、家を買おう!」と思ったときにぶつかる最初の壁。
それが「家がほしいけど、何からはじめたらいいの?」というギモンです。
「SUUMOで検索」「不動産屋さんに行ってみる」ことからはじめがちですが、あなたにぴったりの住まいに出合うにはネットで検索する前にやってほしいことがあります。
今回は、物件探しのその前にやること【前編】をお伝えします!
やるべきこと その①「どんな家に住みたいか?を整理する」
もしあなたがお子さんの小学校入学を機にマンション購入を検討している3人家族だったとしたら、
「間取りは2LDK、広さは最低60㎡くらいかなぁ。今、住んでるエリアだといくらくらいなの?」
という感じで検索をはじめるかもしれません。
住まいを探すときには「2LDK」「広さ60㎡」「駅徒歩10分以内」「価格は4,000万円」「築20年以内」と数字の比較になりがちです。
数字ももちろん大切ですが、いちばん大切なことは「あなたや家族が心地よく感じる住まいか」ということ。
それは数字だけでは決められません。
住まい購入を考えたら、まずは「どんな家に住みたいか」「どんな家なら気持ちよく過ごせるか」を整理することからはじめましょう。
そのためにやってほしいことは、次の3つ。
「どんな暮らしがしたいか」から考える

「手料理をふるまってホームパーティーがしたい」「家族で映画やドラマを楽しみたい」「趣味に没頭できる時間がほしい」など、理想とする暮らしがあると思います。
「これは無理だな」と最初は考えず、思いついたことを書きだしてみましょう。
「今の住まいで困っていること」から考える
今の生活で困っていることからも、どういった暮らしを理想としているかが見えてきます。
実際に困っている分、より具体的な課題が見えてきますね。
家族でよく話し合う
条件を出したら、家族間でどんなことを思っているかを共有しましょう。
家族みんなが快適に過ごせる住まい選びができるよう、相手の考えをわかっておく必要があります。
実際に物件の内覧をするようになったらイヤでもシビアになるので、この段階では家族の意見を否定しないように気をつけましょう。
やるべきこと その②「予算を決める」
数字は二の次のようなことをいいましたが、予算はやっぱり大事です。
ここを間違えてしまうと「住宅ローンが返せない」「返済で生活費がカツカツ」など、幸せになるための住まい購入が不幸なものになってしまいます。
予算を決める場合は、次の点をふまえて計画を立てましょう。
トータルでかかるお金を知る

資金計画を立てるには、まず購入にかかるトータルのお金を把握することからはじめましょう。
購入時にかかるお金と月々・毎年かかるお金があり、住宅ローンの借入額と返済計画に影響します。
トータルでかかるお金のうち、自己資金がいくら用意できるのかとあわせて考えましょう。
<購入時にかかるお金>
- 物件価格
- 諸費用:物件価格の7~10%程度
- 引っ越しや家具・家電購入代:50-100万円程度
<月々・毎年かかるお金>
- 管理費・修繕積立金:2~3万円程度(物件により異なる)
- 駐車場代:5,000~5万円(物件により異なる)
- 固定資産税・都市計画税:10~30万円程度(物件により異なる)
- 火災・地震保険料:10年で12万程度(保険会社・補償内容により異なる)
無理のない返済はいくら?
まずは借り入れ額別の、月々の住宅ローン返済額を見てみましょう(35年返済、金利0.775%の場合)。
月々の家賃と比較していかがですか?
「家賃より安い!」と思っても、忘れてはいけないのが管理費と修繕積立金です(まとめて管積金と呼びます)。
マンションを購入するなら毎月かかるお金なので、管積金も含めた金額で考えましょう。
物件によって価格は異なりますが、資金計画の段階では3万円で試算することが多いです。
車をお持ちの方は、管積金プラス駐車場代もかかりますね。23区内だと2~4万円が相場です。
借り入れ額 | 月々の住宅ローン返済額 | 管理費・積立金込みの支払い額 |
2,500万円 | 約68,000円 | 約98,000円 |
3,000万円 | 約82,000円 | 約11万2,000円 |
3,500万円 | 約95,000円 | 約12万5,000円 |
4,000万円 | 約10万9,000円 | 約13万9,000円 |
4,500万円 | 約12万2,000円 | 約15万2,000円 |
5,000万円 | 約13万6,000円 | 約16万6,000円 |
5,500万円 | 約15万円 | 約18万円 |
※住宅ローンの返済額は頭金0円、35年返済、0.775%変動金利の場合
※管理費・積立金はすべて3万円で計算
ちなみに、住宅ローンの借り入れは「年収の7倍が目安」とよくいわれています。
ただし都心部の場合、あまりに予算を低く設定するとほしいエリアでは物件がなかったり、希望する広さの物件が買えなかったり。
それだと暮らしの満足度が下がって、「買わないほうがよかった」と後悔してしまうかもしれません。
共働きの家庭が増えているので、世帯年収で考えると予算を少し高めにしても余裕ができるかもしれませんね。
会社によっては昇給の見通しが立てやすいので、ある程度は将来の収入アップを見越して予算を組んでもいいかもしれません。
価格と快適性のバランスを見て、予算を立てるようにしましょう。
住まい以外にかかるお金のことも考えよう

あくまで目安ですが、人生のさまざまなタイミングで次のようなお金が必要になります。
- 結婚:470万円(結納~新婚旅行まで)
- 出産:50万円
- 教育費:幼稚園~大学まで全て国公立の場合800万円、全て私立の場合2,300万円
- 老後資金:夫婦の場合3,000万円、単身の場合1,000万円
- 介護:430万円
- 病気やケガ:入院時自己負担金平均21万円
教育費と老後資金は、住まい購入とあわせて3大支出といわれるだけあって、額が大きいですね。
今後のライフイベントのことも考えて資金計画を立てましょう。
シミュレーションを活用する
いくらくらいの家を買うのか、住宅ローンでいくら借りるのかは、年収や貯金・家族構成・利用する住宅ローンなどで変わります。
ネットで住宅ローンのシミュレーションサービスが利用できるので、「借入額が4,000万円なら?」「固定金利なら?」などさまざまなパターンを見てみましょう。
下記の住宅購入予算シミュレーターは、ライフイベントや月々の生活費をふまえたシミュレーションができます。
トータルで月々いくらの支払いになるか、何歳までにいくらお金が必要かなど、かなり具体的にわかるので「予算が決められない!」という方は参考にしてみてはいかがでしょうか?
【まとめ】まずは暮らしを見直すことから!
住まいを買うことは「これまでの暮らしを見返し、これからの暮らしに見通しをもつこと」だと思います。
自分自身で毎日の暮らしを見つめ直したり、これからについて家族と話し合ったりする機会って、家を買うタイミングでもないとなかなかありません。
とても大きなお金が動くので、お子さんの将来や自分たちの老後のために、一度ファイナンシャルプランナーに相談してみるのもいいですね。
人生設計を見直すチャンスと考え、楽しみながら計画を立てましょう。
【後編】に続きます!
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