お風呂に入れない?!給湯器不足が深刻です!

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、自動車やアパレル業界では納品遅れのニュースが報道されていますね。
もちろん、住宅業界も例外ではありません。
トイレや木材不足が話題になりましたが、今は冬本番を目前に給湯器不足が深刻になってきました。
今回は、給湯器不足の原因やリノベマンションへの影響についてお話しします!
給湯器不足ってなんで?

半導体不足による納品の遅れが騒がれていますが、給湯器の場合は東南アジアでのロックダウンが大きく影響しています。
東南アジア(ベトナム・ラオス)でロックダウンが行われ、工場も稼働停止に。
給湯器に欠かせない部品の製造・納品がストップしてしまったことが、現在の給湯器不足のおもな原因です。
給湯器は、各国で作ったさまざまな部品を日本で組み立てて完成させています。
部品がないことには作りようがなく、注文があっても納品できない状態になってしまいました。
また、海外の工場をメインに部品の製造を依頼していたため、国内で調達することも難しい状況です。
<不足している部品>
・凍結予防ヒーター:おもにベトナムで製造。ロックダウンにより工場がストップ
・ハーネス(電気配線の部品):おもにラオスで製造。こちらもロックダウンにより工場がストップ
・コネクター:世界的な樹脂不足で製造が困難な状況
など
部品不足のため、
- 9月に発注した商品で一部、まだ納品されていないものがある
- 10月末以降、新規注文した一部商品の納期が22年3月以降とされている
など、納品遅延が起きています。
いつ頃、回復しそう?
残念ながら、今のところ安定供給できる見通しは立っていません。
ベトナムやラオスのロックダウン自体は解除されましたが、感染拡大防止政策は継続して行われています。
生産が再び安定するまでには、まだまだ時間がかかる見込みです。
特にベトナムは1日の感染者数が1万人を超え(1万3094人・21/11/26時点)、ピーク時とまではいきませんが、再び感染者数が増加しています。
また、ロックダウンで一度仕事を離れた人が戻ってこないとのニュースもあり、工場の人材も不足しているようです。
これから購入予定…影響は?
「これからリノベマンションを買おうかな」と購入を検討されている場合、希望の物件に給湯器の納品が間に合わず、引き渡しに遅れが出る可能性があります。
また、「1月引き渡し予定の物件は、一律で1カ月遅れます」などハッキリわかればいいのですが、マンションの場合、「引き渡しがどの程度遅れるか」も物件ごとに差が出そうです。
引き渡し遅れに、マンションならではの事情
戸建ての場合は、多くの家で屋外壁掛けタイプの給湯器が設置されています。
しかし、マンションの場合は
・ベランダに設置するもの
・玄関横に設置するもの
・パイプスペースの中に設置するもの
など、バリエーションが豊富で、マンションごとに設置できる給湯器が決められています。
一番オーソドックスな屋外外掛けタイプですら納品が遅れている状態なので、定番以外の納品が遅れるのも無理はありません。
給湯器のタイプによって納期にバラつきが出ています。
また、
・外観を統一するため、給湯器の色指定がある
⇒色指定の特注品
・もともとの設置スペースに制限がある
⇒スリムタイプ・コンパクトタイプでないと取り付けできない
など、特殊なタイプは納品までもっと時間がかかる見通しです。
こういったマンションならではの事情によって、オーソドックスなタイプが使えるAマンションは1カ月遅れで済んだけど、色指定があるBマンションは3カ月遅れ…なんてこともあり得ます。
3月には引っ越したいけど、大丈夫?

現段階では、給湯器の納品待ち物件は、2~3月の契約であっても引き渡し時期の確約ができない状況です。
年末に向けてメーカーから納期見込みの返答が来ている物件もありますが、あくまで見込みであり、今後さらに遅れる可能性もあります。
ただ、リノベ済みマンションの場合、すべての物件の給湯器を交換するわけではありません。
きちんと検査をし、問題ないと判断した給湯器は残しています。
給湯器不足で、3月に引き渡しできる物件が1つもないという話ではないので安心してください。
とはいえ、給湯器不足が原因で、
① 新築購入を検討していた人が引き渡し遅れを懸念して、リノベ済みマンションに流れてくる
(車も新車の納品が遅れ、中古車の人気が高まっていますよね。)
② 2~3月の繁忙期に向けて売り出し予定だったリノベ済みが完成せず、販売できない
ということが考えられます。
こういった背景から、すでに完成している物件に人気が集中するのでは?と予想されます。
お家の給湯器は大丈夫?
季節の変わり目は気温変化が大きく、急にお湯が出なくなることがあります。
ネットで検索すると対策などが出てきたりしますが、くわしくない人が下手に手を出すのは危険です。
余計に悪くなってしまったり、ガス漏れにつながったりといいことがありません。
交換が必要になっても交換できる在庫がない可能性が高いので、エラーコードと商品番号を確認したら、すぐにメーカーへ連絡するのが最善策です。
給湯器以外も実は深刻?!

給湯器以外にも、コロナウイルス感染拡大にともなう影響が出ている住宅設備があります。
<在庫不足・納期に遅れが出ているもの>
ガスコンロ・食洗機 | 給湯器と同じ理由で部品調達が困難なため、一部の製品に納品遅延あり。 |
電気温水器 | 給湯器と同じ理由で部品調達が困難なため、納品遅延あり。 |
ダウンライト | 今のところ納品遅延までにはなっていないが、半導体不足の影響で在庫が不足し、遅延する可能性が高め。 |
<うわさレベルだが、今後影響があるかも?な製品>
浴室乾燥機 レンジフード |
給湯器などと同じような電気部品を使っているので、在庫不足になる可能性がある。 |
今後、給湯器以外の住宅設備でも納品遅延のため、引き渡しに遅れが出る可能性があります。
【まとめ】引っ越しまでに時間の限りがある人は早めの行動を!
2~3月は新年度に向けて、不動産取引がもっとも活発になる時期です。
不動産会社は4月からの新生活を気持ちよくスタートしてもらえるよう、秋口から準備を進めています。
しかし、今年は住宅設備不足で2~3月に引き渡しOKな物件が通常より少なくなりそうです。
リノベマンションの場合、すべての物件の給湯器を交換するわけではないので、全部が全部「引き渡しが遅れます」とはなりませんが、その分選べる物件が限られてしまいます。
入学や転勤などで3月中に引っ越しを終えたいと考えている人は、今すぐ住まい探しをはじめるのが吉かもしれません。
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