リノベマンション、買ってもいいか不安です…今って買い時なの?

購入を検討しているお客様からよくある質問の一つが「今って買い時ですか?」です。
住まいは人生で一番大きな買い物といわれるだけに、
「本当に買っていいのか」
「今は買うべき時なのか」
気になりますよね。
今回は住まい購入時の永遠のテーマ、「買い時」についてお話しします!
買い時は相場でなく、ライフステージを基準に

多くの方が、中古マンションの買い時=相場が安い時をイメージすると思います。
しかし、自分で住むために購入するなら、ライフステージやライフスタイルの変化に合わせ、家が必要と感じた時がベストな買い時です。
そもそも中古マンションの相場が高い・安いといった話は、結果論でしかありません。
〇年の時は安かったのにと思っても過去には戻れませんし、今の相場が高いと感じても10年後と比較したら安いかもしれないですよね?
また、今回の東京オリンピックでも、開催後はマンションの価格が下がると予想されていましたが、実際は下がるどころか上がり続けています。
どうなるか誰にもわからないものを気にするよりも、
- 購入する物件で快適な暮らしができるのか
- 何歳までに住宅ローンを終わらせるか
- 月々の返済は無理がないのか
などをふまえた上で「より豊かに暮らすために家が必要」と思えるかどうかを基準にしましょう。
表面的なものを基準にしてしまうといつまでも買えず、自分にとってベストなタイミングを逃すことになります。
購入を見送った場合のデメリットも考えて
ライフステージに合わせた購入が大事とはいっても、高値相場になっている今、なかなか購入に踏み切れないと思う方もいらっしゃるかもしれません。
「割高なんじゃないか」と思いながら買うのは勇気がいりますよね。
そういう時は「今、購入した場合に得られるもの」に目を向けてみてはいかがでしょうか。
<今、購入した場合に得られるもの>
- 住宅ローンの完済時期が早まる
- 家賃の掛け捨てがなくなる
- 低金利で借りられる
- 住まいの快適さが向上する
- 将来への安心感が高まる など
反対に購入を見送った場合には、次のようなデメリットがあります。
デメリット①:住宅ローンの完済が遅くなる、借入期間が制限される
完済時年齢を80歳未満と設定している銀行が多いので、44歳までは35年ローンが組めます。
しかし、65歳以降、10年以上の返済期間が残っているのは不安ではありませんか?
また、44歳以降に組む場合、
- 借入可能な期間が短くなっていく
- 借入可能額が減っていく(年収が変わらない場合)
- 月々の返済額が増える(借入額が変わらない場合)
- 特約付きの団信に申し込めない(特約を付けられる年齢を50歳以下としている銀行が多い)
と利用条件が制限されていきます。
デメリット②:先延ばしにした期間の家賃がもったいない
超低金利の今、貯金して借入額を減らすより、フルローンで今すぐ買った方がお得なケースが多いです。
4,000万円借りて今買う場合と200万円貯金して2年後に3,700万円借りる場合を比較してみましょう。
4,000万円借りて、今買う | 200万貯金して2年後に3,800万円借りる | |
月々の住宅ローン返済額 | 約10万9,000円 | 約10万3,000円 |
住宅ローンの総支払額 | 約4,570万円 | 約4,340万円 |
2年間の家賃総額 | ― | 240万円 |
総支払額 | 約4,570万円 | 約4,580万円 |
※住宅ローンはどちらも返済期間35年、金利0.775%、家賃は月10万円(初期費用・更新料等含まず)で計算。
今買った方が、住宅ローンの総支払額は230万円多くなりますが、家賃を考えると2年後に買う方が約10万円高くなります。
また、2年間で200万円貯めるには月々8.3万円の貯金が必要です。
返済負担を軽くするために月8.3万円貯めても、毎月の返済は約6,000円しか変わりません。
現在の生活を続けながら頭金のために月々8.3万円は中々きついですよね?
せっかく貯金をするなら、教育費や老後の資金に回した方がいいと思いませんか?
もちろん貯金0の状態ならまずは貯金が必要ですが、頭金を増やすために我慢して賃貸に住むよりは、低金利の今買った方が最終的にお得になるかもしれません。
デメリット③いつまで待てば安くなるのかわからない

上のグラフからもわかる通り、2012年ごろから、首都圏の中古マンション相場は上がり続けています。
世界的なインフレの影響や新築マンションの価格高騰、超低金利が続いている状況などを見ると、価格が急激に下がるような要因は今のところ見当たりません。
また、
- 相場が安い時→金利が高くなる
- 相場が高い時→金利が低くなる
傾向にあります。
上のグラフで最も相場が安かった2009年と最も高い2021年を比較してみましょう。
フラット35の最低金利は、2009年1月が2.88%に対し、2021年1月は1.29%でした。
このくらい金利に違いがあると、4,000万円借りた場合、支払い総額に約1,380万円の差が生まれます。
「〇年後に必ず安くなる」といった予想は誰にもできませんし、その時に今のような低金利で借りられるかもわかりません。
このことからも、やはり相場を待つのは得策ではないでしょう。
さらに、安くなる時=社会情勢や景気が良くない時の可能性が高いです。
過去を見ても、リーマンショック、東日本大震災、最近だと第1回目の緊急事態宣言発令時の後は価格が下がっています。
相場だけ見ればお得ですが、そんな時に「住まいを買おう!」と前向きに考えられるでしょうか?
後悔しない住まい購入のためには、ご自身が経済的にも精神的にも安心して買える状態にあることの方が大切です。
とはいえ、焦りは禁物!計画的な購入を

住宅ローンのことを考えると返済開始は少しでも早めにすべきですが、焦ってはいけません。
家の必要性を感じても、勢いだけで無計画に買ってしまうと後悔する可能性が高いです。
まずは資金と物件の条件を整理して、自分にとってベストな購入時期はいつか、計画を立てましょう。
購入時期の判断基準として、下記の点もふまえて自分の理想の暮らしについて考えたり、家族と話し合ってみてください。
快適な暮らしができると感じる物件に出合った
住まいは、今の暮らしをもっと豊かにするために買うものです。
優先順位を明確にした上で、「住みたいな」と素直に思える物件かどうかを大事にしましょう。
月々の返済、ローンの完済が無理なくできる価格
理想通りの住まいでも、無理して買うのは本末転倒。
完済時の年齢から逆算して、月々無理なく返済できる物件かどうか検討が必要です。
35年の長期返済計画なので、生活費、教育費、老後への貯蓄など、今後必要となるお金全体に見通しが持てると安心です。
この機会にファイナンシャルプランナーへライフプランの相談をしてみてもいいかもしれません。
できるだけ健康なうちに
住宅ローンを組む場合、基本的に団体信用生命保険(団信)の加入が必要です。
病気の状態によっては住宅ローンが組めない、金利が上がるなどの可能性が高まります。
団信なしの住宅ローンはフラット35のみとなり、選択肢が限定されます。
【まとめ】計画を立てて自分にとっての買い時を見極めよう
住宅は、数千万円もする大きな買い物です。
不安になる気持ちはとてもよくわかりますが、相場を気にしすぎてもいいことはありません。
まずは資金面や条件面を整理し、いつ買うべきか計画を立ててみましょう。
計画を通して、住まい購入がより快適な暮らしや将来への安心につながると思えたら、それが自分にとってベストな買い時です。
購入が正しいわけでも、賃貸が悪いわけでもないので、自分と向き合って納得できる答えを見つけてくださいね!
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