借入あるけど、お家がほしい!!住宅ローン組めますか?

車に結婚に教育資金など、まとまったお金が必要なタイミングは住宅購入以外でもありますよね。
住宅ローンの審査基準だと、スマホの割賦払いやクレジットカードの分割払いも借入扱いになります。
スマホやクレジットの支払いまで含めてしまうと、今まで一度もお金を借りたことがないという人の方が少ないのではないでしょうか?
めずらしくないこととはいえ、これから何千万という買い物をするのに少しでも借入があると心配になってきますよね。
私たちも「実は借入があって…ローン大丈夫ですかね?」とよくご相談いただきます。
今回は「借入があっても住宅ローンは組めるのか?!」についてお答えします。
【結論】条件次第で、組めます!
住宅ローンなどの借入は、年収に対していくらまで借りられるか上限が決まっています。
マイカーローンや教育ローンをすでに組んでいる、借入があるという方でも、この上限の範囲内で住宅ローンの借入額を調整できれば借りることができます。
返済比率に収まるかがカギ
じゃあ、借入上限ってどうやって決まるの?となりますよね。
年収に対していくらまで借りられるか、上限を決める際に登場する数字が「返済比率」です。
返済比率とは、年間の返済額が年収のどれくらいを占めているかを表す割合のこと。
銀行が「年収の〇%までなら返済にあてても、無理なく返してくれるだろう」と想定し、設定している数字で、年収にあわせて比率が決まっています。
年収の何%までOKかは銀行ごとに異なりますが、35%前後が一般的です。
(フラット35の場合、年収400万未満は30%、400万以上は35%となっています。)
住宅ローン含めたすべての年間の返済額が、年収の35%以内に収まっていれば理論上、借りることができます。
借入ゼロの人と比べると同じ年収でも借りられる額は少なくなってしまいますが、住宅ローンが組めないわけではないので安心してください。

編集部
住宅ローンの借入可能額がわかる返済比率。返済比率について、もっとくわしく知りたい方はこちらのコラムをどうぞ!
借入って何が対象になるの?
ご存知かと思いますが、
- 車や教育などの各種ローン
- クレジットカードのリボ払いや分割払い
は借入となり、審査申込書の「借入状況」の欄に記入が必要となります。
また、奨学金とスマホの割賦払いは注意が必要です。
卒業と同時に返済が始まる奨学金は「もう10年近く返済を続けている」という方も多いのでは?
返済期間が長くなるとどうしても「うっかり延滞してしまった!」なんて可能性も高くなります。
延滞や滞納は審査に大きく影響するので、心当たりがないか、振り返ってみてください。
「スマホも住宅ローンの借入に影響する」という話をご存知の方も増えてきましたが、返済比率に余裕があれば申告しなくも特に問題はありません。
しかし、返済比率を0.数%でも超えると借りられないケースもあるので、上限ギリギリまで借りようとしている人は申告する方が安全です。
35%に収まっていても、コレがあるとかなり厳しいです!

35%以内に借入額を調整できても、安心はできません。
過去に延滞や滞納があると、そもそも審査してもらえない可能性が高いです。
住宅ローンの事前審査は返答までに通常3日~1週間程度かかりますが、延滞・滞納状況によっては申し込んだその日に返事がくることがあります。
銀行が延滞・滞納の履歴を見てすぐに「貸付不可」と判断し、くわしい審査をされないままお断りされるということです。
また、カード会社から連絡をもらってすぐに払っているとしても、3~4回繰り返していると審査が通るか怪しくなってきます。
常習性があると判断されると貸してもらえなくなり、履歴が消えるまで待たなければなりません。
覚えがある人は事前に個人信用情報を確認して(ご自身で取得できます)、不動産会社に相談してみましょう。
不動産会社から事情を銀行側に説明することで、審査に通る確率を数%ですが、上げられるかもしれません(期待は禁物ですが…)。
こういうのも銀行の心証がよくありません…
延滞・滞納以外にも、次のようなものは銀行から嫌われてしまうので注意が必要です。
・クレジットカードのリボ払い、キャッシング
・ほかの借入を返すために借りた等、計画性を疑われる借入理由
・消費者金融からの借入(しているだけでNGになることも)
借入があっても、住宅ローンを借りるためにできること

①ご家族から借りるなどして自己資金を増やす
②可能なら借入を完済する
→「完済できたら○○の条件で貸せます」と条件付きで審査が通ることがよくあります。
自己資金を増やすより効果的な場合が多いです。
③預金残高を提示する
→完済できる余裕はあっても、事情があって手元に現金を残しておきたい場合に有効な手段です。
④利用していないクレカを解約する
→キャッシング枠があるといつでも借金できると思われるため、使っていないカードは解約しておくといいでしょう。
⑤クレジットカードは一括払いを利用
→分割2回でも借入と見なされ、借入額に影響します。
すでにマイカーローンなど、まとまった額を借りている人は、むやみに分割払いを利用せず一括払いが安全です。
住宅ローンを借りるために、やってはダメなこと
次の2つは“百害あって一利なし”なので、やめましょう。
①借入があるのに、嘘をつく

信用情報に履歴が残っているため、銀行側に言わなくても借入があることがわかってしまいます。
銀行は嘘を嫌うため、申告しなかった=虚偽の申告をしたとなり貸してもらえるものも貸してもらえません。
また、少なめに申告するのもNGです。
こちらもバレますし「自分の借入額も把握していないなんて、ちゃんと返済できるの?」と不信感につながります。
②本審査までの間に借入をしてしまう
事前審査が通ったからといって、安心してはダメです。
本審査までの間にほかのところからお金を借りてしまうと、ご自身の条件が変わってしまい、再審査が必要になります。
最悪、借りられないなんてことも…。
ちなみにお金を借りるとは、クレジットカードの分割払いの利用も含まれるのでお気をつけください。
【まとめ】とにかく嘘はダメ!素直に伝えましょう
お金の貸し借りは信用で成り立っている世界なので、嘘をついてしまうと借りられるものも借りられなくなってしまいます。
また、物件探しが進んでから「借入があって買えなかった…」となると、マイホームへの期待がふくらんだ分、ショックも大きいです。
いいにくいことかもしれませんが、“不動産会社へ早めに相談”が得策です。
まずは事前審査を出して、いくら借りられるのかクリアにするところから始めましょう!
※本コラムは2022年3月時点の情報をもとに作成したものです。住宅ローンの審査基準は銀行ごとで異なるとともに、同じ銀行でも時期によって基準が異なる場合があります。
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