リノベ済み買うなら要チェック!フラット35「維持保全型」って何?

住宅ローンの全期間固定金利といえば、フラット35が有名ですよね。
金利は固定一択ですが、意外と種類が豊富で、購入する住宅や地域にあわせて使えるプランがあります。
条件を満たしていると5~10年間、▲0.25~0.5%の金利優遇が受けられるので、フラット35を利用するなら見逃せません。
このお得なフラット35の金利引き下げプランに、2022年4月から新しく「維持保全型」が追加されました。
今回はリノベーション済みマンションを買うなら知っておきたい、フラット35の「維持保全型」についてご紹介します!
フラット35維持保全型って?

「フラット35 維持保全型」は2022年4月から登場した、フラット35の新しい金利引き下げプランです。
建物を長く大切に使っていくストック型社会の実現に向けて、
- 永く住み続けられるよう配慮された住宅
- 安心して購入できるよう配慮された中古住宅
を購入する際に使えます。
条件を満たせば、借入当初5年間、年0.25%金利が引き下げられます。
【ほかにもあるよ!フラット35のバリエーション】
今回登場した維持保全型以外に、下記のような場合に使えるプランがあります。
フラット35S | 省エネ性能up、耐震性が高いなど、質の高い住まいを購入する(性能に応じてAプランとBプランあり) |
フラット35リノベ | 中古マンションを購入してリノベーションする |
フラット35地域連携型(子育て支援) | 子育て世帯や新婚世帯が住まいを購入する |
フラット35地域連携型(地域活性化) | 地域材を活用して住まいを建てる、空き家を取得するなど住まい購入が地域の活性化につながる |
フラット35地方移住支援型 | 移住を機に住まいを購入する |
上記の商品は、指定の条件を満たすと5~10年間、金利の優遇(▲0.25~0.5%)が受けられます。
併用OKなプランもあるので、それぞれの適用要件をよく確認しておきましょう。
どんな住宅が対象になるの?
維持保全型プランを利用するには、下記のいずれかの住まい購入が必要です。
①長期優良住宅
②予備認定マンション
③管理計画認定マンション
④安心R住宅
⑤インスペクション実施住宅
⑥既存住宅売買瑕疵保険付保住宅
それぞれの意味を簡単に説明すると、
①の長期優良住宅は「長期間にわたって住み続けられる」と国が認定した住宅のこと。
②③はどちらもマンションの管理計画について、第三者((公財)マンション管理センター・地方公共団体)からお墨付きを受けた住まいが対象です。
④~⑥は国が定めた基準をクリアしている、第三者機関による検査が実施済みなど、安心して購入できる中古住宅です。
リノベ済みなら「安心R」か「瑕疵保険」がオススメ!

安心R住宅って?
安心R住宅は、中古住宅の不安をなくすために国が定めた基準をクリアした住まい。
・安心=新耐震基準に適合、インスペクション(建物状況調査)の結果、構造上の不具合がない
・キレイ=リノベーションまたはリフォーム済み
・わかりやすい=工事内容や履歴、保険や保証などの情報がまとめられている
の3つをそなえた中古住宅です。
安心R住宅として登録されている物件は、チラシやホームページに下記のマークが表示されています。
安心R住宅探しの目印にしてくださいね。
※安心R住宅としての登録の有無は、事前に不動産会社へご確認ください。

既存住宅売買瑕疵保険って?
瑕疵(かし)保険は、第三者による検査と万が一の保証がセットになった保険です。
ほかの対象住宅と異なり、買主が瑕疵保険に申し込むことで適用条件をクリア(※)できます。
※購入予定の住宅が瑕疵保険の加入条件を満たす場合、引渡し前に加入手続き及び検査に合格することが必要です。
しかし、瑕疵保険は
- 売主の不動産会社が瑕疵保険の団体に登録していないと加入できない
- 保険料は買主希望で加入する場合、買主負担となるケースがほとんど
の2点に注意が必要です。
瑕疵保険の保険料とフラット35適合証明書の発行手数料で、8万円以上(※)かかります。
この費用を考えると、借入額によってはそこまでお得にならない場合もあるので、手数料もふくめていくらお得になるか調べてみましょう。
※費用は利用する検査機関・保険法人により異なります。また、保険料は物件の広さや契約内容・期間によっても異なりますので、事前にご確認ください。
【ほかの条件はどうなの?】
①長期優良住宅
申請までに手間がかかる、施工費が高くなるなどのデメリットもあり、マンションではまだまだ数が少ないのが現状です。
②予備認定マンション
新築マンション用の認定制度のため、中古マンションは対象外です。
③管理計画認定マンション
中古マンションが対象の制度ですが、2022年4月から始まったばかり(②も同様)です。
また、認定制度自体は管理組合が取り組むものなので、物件の購入者独自に申し込むことができません。
今は制度の認知が広がり、認定マンションが増えていくのを待ちましょう!
⑤インスペクション実施住宅
安心R住宅も瑕疵保険もインスペクション(建物状況調査)が含まれます。
さらに瑕疵保険なら万が一の保証がつくので、自費で申し込むなら瑕疵保険の方がオススメです。
フラット35Sと併用でさらにお得に

維持保全型はフラット35Sと併用でき、さらにお得な優遇が受けられます。
引き下げ期間と金利は下記の通りです。
- フラット35S(Aプラン)と併用:借り入れ当初5年間▲0.5%+6~10年目▲0.25%
- フラット35S(Bプラン)と併用:借り入れ当初10年間▲0.25%
Aプランと併用できる場合、月々の返済が最大9502円・返済総額が149万円安くなります。
Bプランの場合でも、月々の返済は4811円・支払い総額は97万円安くなります。
※借入金額4,000万円、金利1.44%(22年4月の最低金利・融資率9割以下)で試算。フラット35とフラット35維持保全型+35S併用の場合の比較。
ちなみに、2022年10月からフラット35Sの適合基準が変更されます。
リノベ済みマンションの場合、Bプランの適合基準“バリアフリー性”を満たしている物件が多いのですが、この項目が10月から厳しくなります。
9月までの条件なら、浴室に手すりが設置されていればBプランが使えるので、もしフラット35の利用を考えているなら早めの検討がオススメです。
【まとめ】ラインアップ追加でより便利に!
維持保全型が追加され、フラット35を使って中古住宅がさらに買いやすくなりました。
住まい探しの際は、フラット35適合物件かだけでなく、フラット35Sや維持保全型も使える物件なのか調べてみてくださいね!
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