魅惑の“未公開物件”!…ってなんか怪しくない?

「期間限定」「地域限定」など、人はなぜこんなにも“限定”に弱いのでしょうか。
不動産の限定といえば、そう「未公開物件」です!
もともと不動産はすべて一つしかない“限定物件”ですが、「未公開」といわれると特別に感じますよね。
「あなただけにお教えします」なんて紹介されたらとちょっと怪しいと思いつつ、気になってしまうもの。
今回は、ちょっと怪しいけど気になる!未公開物件についてお話しします。
未公開物件って何?
明確な定義はありませんが、一言で表すなら「一般公開前の物件」といっていいでしょう。
「一般公開の“一般”ってどこ?」と気になると思いますが、不動産業界の“一般”はレインズを意味します。
レインズは(公財)不動産流通機構が運営するコンピューターネットワークシステムのこと。
会員登録している不動産会社しか見ることができない、業者専用の不動産ポータルサイトのようなものです。
レインズに登録された物件は、全国どこの不動産会社でも情報へアクセスできます。
物件情報を知っている人が格段に増える=買いたいと思う人、すなわちライバルが増えるということ。
一方でレインズ登録前(未公開)物件は、
・物件をもっている売主の不動産会社
・売主と取引の多いごく一部の仲介会社
しか情報を知りません。
未公開情報を知っている=ライバルが少ない状況で購入検討ができるというわけです。
未公開物件のメリット
未公開物件の大きなメリットが、ライバルが少ない段階から物件購入を検討できること。
ほかにも次の5つのメリットがあります。
①希少性の高い物件の情報がすぐに入る
駅近、人気エリア、人気学区などにある物件は、買いたい人が多く、すぐに売れてしまいます。
・先々のことを考えたら駅近がマスト
・子どもを転校させたくない
・実家から10分以内の場所に住みたい
など、物件の立地が最優先の人にはとくにオススメです。
②より多くの情報の中から自分に合った物件を探せる
販売中の物件は、SUUMOなどのポータルサイトで探せるものがすべてではありません。
SUUMOに掲載される前、レインズに登録される前に売れてしまう物件も、実際にたくさんあります。
未公開物件の情報をキャッチして情報源が増えれば、物件の選択肢も増えますよね。
③だれかに買われる前に買える
不動産は「買える」とわかるまでに時間がかかります。
購入を決めてから、
①購入申込書を出す
②住宅ローンの事前審査を出して、結果を提出する
③契約日や引渡し日などの条件について交渉する
を行うので、「ほしい」と思っても購入できるかすぐにわかりません。
準備を進めている間に買われてしまうケースも、意外とよくあります。
未公開の段階で情報を得られれば「先に買われてしまった!」と悔しい思いをせずにすむかもしれません。
④住宅ローンの検討や引越し準備がゆっくりできる
未公開物件は、売り出し直後で内装工事が完了していない可能性が高いです。
引渡し(残金の決済日)は工事完了後になるため、引渡しまで2~3カ月程時間があります。
「そんなに待つの?」と思うかもしれませんが、
・住宅ローンの審査を複数申し込み、最も良い条件の銀行を探せる
・ゆっくりと引越し準備、日程調整ができる(早期予約割引があるかも)
・新規で購入する家具や家電をじっくり検討できる
など、メリットがたくさん。
超低金利で人気のネット銀行を検討している人には、とくにオススメです。
ネット銀行は本審査の承認までに時間がかかることが多く、1カ月近く待つ場合もあります(感覚的には1カ月で出たらラッキーな印象)。
完成済み物件は、契約から引渡しまで1カ月程度しかなく、ネット銀行の審査結果が間に合わないことも。
2~3カ月時間があれば、安心して審査に申し込みができます。
⑤タイミング次第で内装を自分好みにできるかも
未公開物件=内装工事が始まっていない可能性が高いため、壁紙や建具の種類・色など、自分好みのものを選べるかもしれません。
建材の発注や工事の進捗によって絶対できるとはいえませんが、担当者にきいてみる価値はあります!
また、
・開き戸を引き戸にする
・リビングにワークスペースをつくる
・3LDKを2LDKに変える
などの追加工事が必要なカスタマイズをしても、工事期間が延びる心配はありません。
こちらもタイミング次第なので、希望があれば早めに担当者へ相談してくださいね!
未公開物件はどこにある?
リノベーション済みマンションの場合、未公開物件は買取再販業者とよばれる不動産会社がもっています。
買取再販業者は、簡単にいうとリノベ済みマンションのメーカー(売主)のこと。
メーカーなので、一般発売前(レインズ登録前)の自社物件の情報をたくさんもっているんです。
買取再販業者はどうやって探す?
STEP1:“取引態様”をチェック
買取再販業者は、SUUMOなどのポータルサイトで簡単に見つけられます。
探し方は、物件情報の“取引態様”の欄をチェックするだけ!
気になる物件を見つけたら、取引態様が「売主」かを確認してください。
STEP2:「売主」のサイトをチェック
ポータルサイトのリンクから「売主」会社のホームページへアクセスしましょう。
問い合わせをして、探している物件の条件を伝えれば、未公開物件の情報がもらえるはずです!
会員登録制のメルマガで、未公開物件の情報を配信している場合もあるので、チェックしてみてください。
未公開物件の注意点
未公開物件を買うか検討するなら、注意点も把握しておきましょう。
①「未公開物件=良い物件」とは限らない
未公開という言葉の響きから、なんとなく「特別良い物件」「希少価値の高い物件」というイメージがありませんか?
しかし、未公開物件といっても一足先に物件情報を知れるだけで、物件自体の優劣はありません。
条件を整理して、自分の希望が叶う物件かどうかを冷静に見極めましょう。
②物件の情報が十分にそろっていないかも
未公開物件は情報として新鮮な一方、調査や資料が不十分な可能性もあります。
(調査を手抜きしているわけではなく、売主の不動産会社も物件を取得したばかりで調査中だからです!)
気になることは必ず質問し、疑問点をクリアにしてから購入に進みましょう。
過去の取引履歴がある(同マンションの別部屋を販売していた)と、基本的な情報や資料がそろっているので安心して買いやすいと思います。
取引履歴があるか、不動産会社へ確認してみてください。
結局、未公開物件って怪しいの?怪しくないの?
“未公開物件”に怪しさを感じるのは、言葉の定義が不明確だからかもしれません。
定義がないからこそ、
・レインズに登録しているが、SUUMOに載せていない
・レインズに登録しているが、自社サイトに載せていない
物件を“未公開物件”とPRしている会社もあります。
これも販売戦略の一つであって、悪といい切れるかは微妙なところ。
もしレインズ登録前の未公開情報を探すなら、
・売主の不動産会社へ問い合わせる
・「レインズに未公開ですか?」と質問してみる
ことをオススメします。
【まとめ】売り文句に流されず、冷静に判断を!
魅力的な響きの“未公開物件”。
しかし、極端にいってしまえば人より先に情報を得られるだけで、物件の良しあしとは全く関係ありません。
未公開でも、そうでなくても、自分のしたい暮らしが叶えられる物件が一番魅力的な物件です。
住まいに求める条件を明確にしたうえで、上手に未公開の情報を活用してくださいね!
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